一般内科・消化器内科皮膚科・小児科・心療内科
肝疾患

肝疾患について

肝臓は、重さが1kg以上ある、体で最も大きな臓器です。
そのため、肝疾患が進行しても、肝臓は代償機構が働くことで症状が現れにくく、「沈黙の臓器」と言われています。
したがって、症状が出現したときには、肝臓の病気はかなり進行している状態と考えてください。
慢性肝炎とは、肝臓に炎症が起こることで肝臓の細胞が壊れる状態が6ヶ月以上続くことを言います。慢性肝炎の状態が続くと、次第に肝機能は低下し、生活の質は著しく低下します。
慢性肝炎の原因には、ウイルス性肝炎、脂肪肝など、様々なものがありますので、阿部内科では日本肝臓学会専門医が専門的な診療を行います。

【画像】肝臓
B型慢性肝炎

B型慢性肝炎について

B型肝炎ウイルスに感染している人の血液や体液を介して罹患する病気です。
日本には約150万人の患者さんがいると言われています。
主な感染経路としては、母子感染のほか、後天性の性的接触、輸血、臓器移植、刺青、針刺し事故などが考えられます。以前は輸血に伴うケースが問題視されましたが、現在はほとんど起こりませんのでその点はご安心ください。

B型肝炎は、感染した時期、感染者の免疫状態、ウイルスの遺伝子型によって、一過性感染で終わる場合と、6ヶ月以上にわたって感染が持続する場合に分けられます。
持続感染している方が発病すると、B型慢性肝炎になります。
この場合は、インターフェロン製剤や核酸アナログ製剤を使用し、肝炎を鎮静化させます。

C型慢性肝炎

C型慢性肝炎について

C型肝炎ウイルスに感染している人の血液や体液を介して罹患する病気です。
感染すると70~80%の方が持続感染し、慢性肝炎へと移行します。
その後、肝硬変から肝がんへと進行するケースも少なくありません。

C型慢性肝炎の治療に関して言うと、以前は注射薬のインターフェロンが必須でしたが、現在はあまり用いられません。
患者さんのタイプにもよりますが、副作用の軽い経口薬によってウイルス除去に成功するケースが増えています。
その他にも優秀な新薬が次々と登場しておりますので、当院においても、こうしたお薬を効果的に使用いたします。

非アルコール性脂肪性肝疾患/非アルコール性脂肪肝炎(NAFLD/NASH)

NAFLD/NASHについて

近年、日本でも運動不足や栄養の摂りすぎによる生活習慣病が増加しており、これに伴って脂肪肝も増加しています。
脂肪肝は、中性脂肪を含んでいる脂肪滴が肝臓に沈着する状態で、脂肪滴を伴う肝細胞が30%以上認められる場合を、脂肪肝と呼んでいます。
脂肪性肝疾患は、肝臓への脂肪沈着のみを認める予後良好な『単純性脂肪肝』と、脂肪沈着に壊死・炎症・線維化を伴う進行性の『脂肪性肝炎』の二つに分類されます。
脂肪性肝炎は、肝硬変に進行したり肝がんを発症するリスクがあります。そのため、定期的な採血・腹部超音波検査が必要になります。

肝がん

肝がんについて

肝臓の細胞に発生した悪性腫瘍です。
主な原因は、B型肝炎、C型肝炎、非アルコール性脂肪肝炎、大量飲酒、喫煙などです。特に、B型肝炎やC型肝炎の患者さんは十分にご注意ください。
なお、初期には自覚症状がほとんどありませんが、進行すると腹部のしこり、圧迫感、痛み、張りなどの症状が現れてきます。

アルコール性肝障害

アルコール性肝障害について

過度の飲酒によって肝臓に悪影響が出ることは、一般に広く知られていると思います。
実際、アルコールを飲み過ぎると、アルコール性脂肪肝のリスクが高まります。
この脂肪肝が見られるにもかかわらず、さらに大量の飲酒を続けると、アルコール性肝障害を発症します。飲酒を控えないでいると、肝硬変のリスクが非常に高まりますし、肝不全にまでいたることもありますので、十分に注意することが大切です。

【画像】ビールを持つサラリーマン
原発性胆汁性胆管炎

原発性胆汁性胆管炎について

原発性胆汁性胆管炎は、慢性的に進行する胆汁うっ滞性肝疾患の一つであり、特定疾患に指定されている病気(いわゆる難病)です。
中年の女性に比較的多く見られます。
放置していると肝実質細胞が徐々に破壊されて線維化していくため、最終的には肝不全にいたるリスクが高まります。
初期段階では目立った症状が見られないこともあるのですが、胆汁うっ滞が続くことによって皮膚掻痒感が見られるようになります。
このようなときは、症状を悪化させないよう、お早めに当院をご受診ください。

自己免疫性肝炎

自己免疫性肝炎について

自己免疫性肝炎は、肝細胞が障害されることによって発症する肝疾患の一つであり、特定疾患に指定されている病気(いわゆる難病)です。
免疫異常が何らかの形で関与していると考えられています。
以前はあまり見られない病気でしたが、最近の調査では患者さんの数が急増しており、特に50~60歳代の女性で多く見られます。
あまり自覚症状は見られないのですが、全身の倦怠感や食欲不振などのお悩みを持っている方が医療機関を受診したところ、この病気が見つかることもあります。
放置していると肝硬変に移行することもあるので、早めに治療を開始することが大切です。

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